アンフェア 焔の大佐が愛してるよと囁き、俺はそれを聞こえないふりをする。 本を読んでいるのに、しつこく聞いてくるので、「あいしてる」と返してやった。 そしたら嬉しそうに笑うんだ。 「鋼の。」 違うよ。俺は"鋼の"じゃ無い。 「何‥?」 本から目を離さず受け答えする。 「今日の君は優しいね。」 ニッコリと微笑むあんた。 「そう?」 でも、それは俺じゃなくて、おチビちゃんに向けられた顔なんでしょ? 「そうだよ‥。愛してるなんて初めて聞いたぞ。」 「ははっ、そっか。」 そんなことも言ってなかったんだ。 …。 ムカつくなぁ。 気持ちすら伝えてないくせに。 何でおチビちゃんなんだ? 「機嫌が良いついでにお願いを一つ聞いてくれるか。」 「何?」 「夕食、どこかに食べに行こう。」 「良いよ。」 あんたがそうしたいなら。 本を置き、ロイの目の前に立った。 ほら、またそんな幸せそうな顔して‥。 もし 俺が、 あんたの親友を殺したやつだって分かったら きっと‥、 いや絶対俺を殺すよね…? ・・・ぶち壊したい。 「どうした?」 「何が?」 気付いて。 「何故目の前に居るんだ?」 「居たいから‥じゃ駄目?」 気付いて。 「いや嬉しいよ、鋼の‥。」 気付くわけないよね‥。 「そっか。」 軽くロイの顔を持ち上げると、フッと軽く笑った。 おチビちゃんにしか見せない表情でしょ? "目、つぶって"と耳元で囁けば、それに従うあんた。 ホント無用心だなぁ。 あぁ、もうムカつく‥。 焔の大佐が大好きな、おチビちゃんの顔で 甘い口づけを‥。 ねぇ…、おチビちゃん。 あんまり焔の大佐をほっといちゃ駄目だよ。 ほら、 取り返しに来ないなら 俺が貰っちゃうよ? END ××××× エン→ロイで。 あーあ、やっちゃたよ。 特にエンヴィー好きでもないし、一人称何だったか忘れちゃったのに書いちゃいました・・。 うーわー。腐るだけじゃなく違う方向性まで出てきたー・・。 でも、もう思いつかない無いと思うんで・・。(汗